サントリーと三洋電機。共に大阪に本社を置きながら、ラグビー部
の拠点を関東に置くという独特の形態を持つ2つのチームがトップ
リーグのプレーオフ、マイクロソフトカップのファイナルに続き日本
選手権の決勝で再び相見えることになった。
今年のトップリーグは昨年優勝を争った東芝とサントリーの争いと
見られており、両チーム共ワールドカップに多くの選手を供出して
いてベストのコンディションでないことが予想され、どこのチーム
がこの2チームの牙城を崩すかが注目となっていた。
そんな中、伏兵として現れたのが昨年度トップリーグ5位の三洋だっ
た。三洋は体制に変化もなく、大物が入部した訳でもなかったので
シーズン前は注目される存在ではなかった。しかし、会社の業績の
不振もあり、ラグビー部は結果を残すことが求められていた。
第5節、4戦全勝同士の神戸製鋼との戦いを制し、第7節には前年度
チャンピオンの東芝を41-0で一蹴。そのままの勢いでリーグ戦13戦
全勝という見事な成績でマイクロソフトカップに進むも、サントリー
に10-14と惜敗、今回はその再戦となった。
そもそも三洋は全国大会での優勝は1回だけ、何度も決勝で涙を呑ん
できた。そして、その唯一の優勝は1996年全国社会人大会でサントリー
と引分で得た優勝だけである。しかもその時はトライ数の差で日本
選手権への出場はできなかったのだ。
サントリーはそんな因縁の相手ではあったが、マイクロソフトカップ
では再び苦杯をなめる結果となった。三洋としては何が何でも今回
だけは負ける訳にはいかなかったはずだ。
今日の試合、三洋はそんな気持ちが前面に出て積極的に仕掛けてボー
ルを奪い、試合を優位に進めた。マイクロソフトカップで苦しんだ
ラインアウトも修正し、サントリーにラグビーをさせない。
そんな三洋の中心が元オールブラックスのトニー・ブラウン。正確
無比なキックといつでもボールに絡んでいくディフェンスでゲーム
をコントロール。日本人と比べてもそんなに体の大きくないブラウン
はラグビーがパワーだけのスポーツではないことを思い知らされる。
しかもブラウンは来週から南半球のラグビーリーグ、スーパー14で
プレーするのだそうだ。本当にスゴい選手である。
結局試合は途中サントリーが押す場面もあったが、40-18で三洋が
リベンジ。47年の歴史で全国大会初の単独優勝を飾った。いつも笑顔
の宮本監督の涙と、かつて三洋を強豪に引き上げながら辛酸をなめ
続けた宮地元監督のホッとした顔が印象的だった。
三洋ラグビーの地元、群馬県太田市からは多くの応援団が秩父宮に
来ていたが、今回の優勝は彼らが一番嬉しいに違いない。
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