今年の甲子園の決勝はちょっとやりすぎじゃないかと思うような幕
切れだったのだが、ちょうど決勝の前日おいらは本屋で一冊の本を
見つけた。
「甲子園 歴史を変えた9試合」というもの。正直いってまたこの類
の本かと思っていい感じはしなかったのだが、とりあえず見てみる。
巻頭は松井秀喜の特別寄稿、そして第1話が昨年の決勝、早稲田実業
対駒大苫小牧。正直「またかよ」と思ったが、他の試合を見てみると
2つほど気になる試合があった。
1つは桑田と清原、いわゆるKKコンビが唯一夏の選手権で敗れた昭和
59年の決勝戦、PL学園対取手二。この時KKは2年生だが前年の優勝を
経験しており、すでに中心選手だった。そんな2年生がいるもんだか
ら、当時の3年生がいかに大変だったか、そしてPLが負けに至った
経過が当時の脇役の選手から実によく取材してあるので、どんどん
ページをめくって読んでしまったのだ。
これはいかんということで、そのままレジに行って購入するハメに。
そして、おいらがもう1つ読みたかったのはこの9試合のうち唯一
甲子園で見た試合、平成8年決勝、松山商対熊本工。両校はプロに
も多くの人材を輩出している名門だが共に公立高校である。
この試合、おいらの記憶は9回裏ツーアウトランナーなしからしか
ない。何故ならこの試合はそこからが今年の決勝以上にもの凄い
展開をするからである。この時松山商は1点をリードしており、あと
1つアウトを取れば優勝が決まるという場面。
おいらももう終わったとおもったのだが、ここで熊本工の選手が
起死回生のソロホームランを放ち試合は延長戦に突入。10回裏、
熊本工は1死満塁の大チャンスで打球は快音を残してライトへ上がる。
ライトが一旦バックしたので、今度こそ試合は終わったと思った。
しかし、打球は浜風に押されて戻り始める、ライトは1,2歩前進して
キャッチしてバックホーム。ホームはゆうゆうセーフだろうと思っ
ていたが、今度は浜風がボールをキャッチャーまで運び、完璧な
タイミングでアウトになってしまう。
おいらもかなり色々な試合を見ているが、こんな見事なバックホーム
はプロの試合でもそうお目にかかれるものではない。この時ばかしは
全身に電気が走ったような感覚になったのを覚えている。
結局11回表に松山商が3点を奪い勝負を決めてしまうのだが、3点差
でも最後まで目の離せない試合だった。そして名門熊本工はあのワン
プレーで悲願の初優勝を逃し、現在に至っても大旗を手にしていない。
今年の決勝もそうだったが、やはり甲子園には魔物がいることを
改めて思い出させてくれた。
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