いつものように朝が来て、1日が始まるのだが毎年この日だけは少し
違う。朝早くから人が集まって亡くなった人に手を合わせる。あれ
から12年、13回忌を迎えた神戸の朝は小雨だった。
神戸に越してきた7年前は街は普通には戻っていたものの、震災の
ツメ跡を残す建物や更地があった。最近の好景気もあってかそう
いった震災の記憶は傷が癒えるようになくなりつつあり、ここが
震災にあった街だということさえ感じさせなくなっている。
人々から震災の記憶が薄れるのと共に、震災後神戸で生まれた子供
と我々のように神戸にやってきた人間つまり震災に遭遇していない
人間が3割を占めるまでになったのだという。街は外見だけでなく
そこに暮らす人々も震災から遠ざかっていっているようだ。
この地で震災に遭っていないし、震災に遭った人々の気持ちがわか
る訳でもない、でも、彼らが苦しい時期を過ごしてきたからこそ
我々もこの地神戸で何もなかったかのように暮らしていけるのだ
から、この日だけはあの惨事をしっかり心に刻まねばならないのだ
と思う。
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